最後から二番目の真実

主にミステリの感想

特捜部Q ‐自撮りする女たち

 

特捜部Q―自撮りする女たち― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

特捜部Q―自撮りする女たち― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 コペンハーゲン警察の特捜部Q。未解決事件を専門に扱う部署である。部の解体が囁かれるなか、ローセの不調も続き、チームの士気は下降中だ。ある日、元殺人捜査課課長からQに電話が入る。最近発生した老女撲殺事件が、未解決の女性教師殺人事件に酷似しているとの情報だった。元上司の懇願に、カールらQの面々は重い腰を上げる。折しも失業中の若い女性を狙った連続轢き逃げ事件で別部署は大わらわ。その隙に新旧双方の事件の捜査を勝手に始めたものの、カールの刑事歴でもかつてない事態に…。好評シリーズ第七弾。

 気づけば7作目、今回も少しづつ登場人物たちの物語が進んでいく。カールとモーナの関係性、ハーディの体調。ゴードンはようやく特捜部Qの一員として認められはじめる。

 

今回は特にローセの過去が語られ、連続ひき逃げ事件と絡んで目の離せない展開へつながっていく。なぜローセが妹たちに変身するのか、その理由がローセの父にあることがわかり、不安定な精神面についても説明がされる。

 

一方で連続ひき逃げ事件の関係者が昔の教師殺害事件、最近の老婆殺害事件でも関係者であったことがわかり、そちらの歯車もかみ合い始める。こういったいくつもの事件が少しづつ関係性をはっきりとさせていく展開は非常に面白い。老婆の孫娘デニスが殺された教師の生徒でもあり、ひき逃げ事件の被害者でもある。偶然なのか、意味があるのかジワジワと見えてくる景色にワクワクしてくる。

 

今回も素晴らしい。